ヒーローとヴィラン#プロローグ2
ー12月6日ー
あの日は確か雪が降っていた。
分厚いコートを着て家を出た僕は、アルバイトに遅刻しそうで急いで自転車のペダルを回していた。
家から自転車で約15分
電車で約30分
雪が降っていたが僕は遅刻しそうだったこともあり自転車でアルバイト先に向かっていた。
今は18時55分。
アルバイトは19時から。
「あの信号を左に曲がれば着くぞっ」
僕はペダルを思いっきり踏み込み信号を渡った。
「ドンッ」
やってしまった。
右からきている女性に気づかなかった。
僕は人を引いてしまった。
後悔しても後悔してもあの頃の日常には戻れない。
なぜなら僕は
ヴィランになってしまったから。