siLife’s blog

へいげんの頭の中

ヒーローとヴィラン#1章 ヴィラン島での出会い2

もう外も真っ暗だ。。

執事の役割をもらった僕はまず寝床に案内された。
寝床といっても馬小屋だが。

「呼び出しがあるまではここにいろっ」

刑務官にそう言われ僕は馬小屋の中に入る。



馬、馬、馬
見渡すかぎり馬がいる中で1人の男の人影が見えた。

「...あなたも捕まったんですか?」

僕が声を上げると、なにも返事は返ってこない。

「無愛想なやつだ」

僕は心の中で呟いた。

声に出して文句を言ってやりたがったが
そんなことをしている暇などない。


人を1人自転車で引いてしまい
相手は軽傷。

なのに過去にヴィランに憧れただけで捕まるなんておかしな話だ。

絶対にここから逃げ出してやる。


僕はここに来る前からそう心に強く誓っていた。

馬小屋に入るなりどうすればこの島からにげだせるか必死に考える。

考えていると先程まで無言だった男が口を開いた。


「お前年は?」

挨拶もなかったのに第一声がそれかよっ

僕はイライラした気持ちを抑えて返事をする。


「17歳だよ。そうゆう君はいくつだよ?」

質問をするとまた相手からは返事がない。

「チッ」

静かな馬小屋の中に男の舌打ちが響いた。


カーッ

僕はついに今までのストレスも相まって
男にキレた。

「おまえよぉいい加減にしろよ!
初めて会ったからって礼儀があるだろうがよ!」

僕が大声で怒鳴ると男は静かにこちらに近づいてきた。


「バンっ」

僕は思い切り男に殴られ宙を飛んだ。

「俺はお前みたいな使えないやつと話すことなんてなにもないんだよ」

「あっちで勝手に死んでろっ」


そう男は呟くと馬小屋の中の芝に寝そべり
そのまま寝てしまった。


「なんてやつと同じ小屋に入れられてしまったんだ」
「何が何でも早く脱出しなければ」

僕は窓から見える大きな月にそう誓って眠りについた。







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