siLife’s blog

へいげんの頭の中

ヒーローとヴィラン#1章 ヴィラン島での出会い3

朝の明るみが果てしない遠方から滲むように広がってくる。

「んん〜朝かぁ」

僕は昨日のことが嘘のようにいつもと同じセリフを呟いた。

周りを見渡すと

昨日の男性の姿がない。


僕は朝からイライラすることもなくてラッキーなんて思っていた。

すると、

「おい、でろっ仕事だぞ」

大柄な男が馬小屋を開けた。


僕は言われるがままに昨日の城にたどり着き
無理やりお風呂に入れられ昨日の汚い格好から
執事のスーツに着替えさせられた。


「やっぱりこの役職は結構楽みたいだなっ」

僕は心の中でラッキーっと呟いた。


その後は食堂に連れていかれた。

「このレシピの通り作るんだっ」
「朝食は一時間後だ。早くしろよ」

大柄な男はそう言葉を残し食堂を後にした。

「ゲッ料理は苦手なのになー。いきなり1人でかよ。」

そう考えていると隣で部屋で大きな音がした。

「ドンッ!!」

「テメェいつになったらまともな料理作れんだ!!」
「いい加減にしないと外で働いているやつと同じ目に合わすぞ!!」

この大声はさっきの大男か。

誰か思いっきり痛い目にあわされたみたいだな。
かわいそうに。

僕はそんな呑気なことを思いつつ
俺もちゃんとやらないとやばいと思い、料理作りに取り掛かる。


「お前がなんで執事やらせてもらえてるかしっかり考えて仕事をするんだな!!」
「そんな特殊能力さえなけりゃ今頃外でボロボロになってるぞ!!」


大男がその言葉を残し扉を思いっきり閉めた音が聞こえる。


僕は流石に気の毒かな、と思い扉のドアを開けて様子を伺った。


「イテテて、あいつぜってぇいつか痛い目に合わせてやるからな」

なんとそこにいたのは昨日僕に思いっきり暴言吐いてきた馬小屋の男じゃないか!!

「誰だ!!そこで覗き見してるやろーは!」
男はそう言うと


僕は扉をあけ、ざまみろと言わんばかりの顔で挨拶をする。

「おはよう。随分痛い目にあったな。かわいそうに」

僕がそう言うと

「チッなんだテメェか。お前も、どうせろくな料理つくれないんだろ」
「こっちまでとばっちり喰らうなんて真っ平御免だからな」

そう生意気に男は言ってきた。

僕はもうすっかり呆れたと言わんばかりに
「はいはいー、早く作ってきますよー
お邪魔しましたー」

そう言って扉を閉めようとした。

あれ?
そういえばさっき気になること言ってたな。

僕は、生意気な男に問うた


「そういえばお前ってなんの特殊能力持ってんの?」
「さっきそんな能力なきゃとか聞こえたけど。。?」

僕が気になりすぎてつい口に出して聞いてしまうと

「お前みたいな使えないやつに教える気はねえ」
「教えたところでなんの役にたつわけでもないんだ。お前は静かに迷惑かけることなく仕事してればいいんだよ」

生意気な男はそう言うと無理やり扉を蹴り飛ばし閉めた。


僕は料理を作りながらこんなことを考えた。

「じゃなんで無能力の俺は執事の役職についているんだ?」

そんなことを考えながら作った料理は案の定
食べれたもんじゃないと大男に
投げられ
僕も殴られる羽目になった。




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