siLife’s blog

へいげんの頭の中

ヒーローとヴィラン#1章 ヴィラン島での出会い

「ボーッ」
真っ青な空の中船の汽笛が鳴った。

「ついたぞ。降りろ」

1人の刑務官の声とともにアイマスクを外された。


「眩しい。。」


だいぶ船の中にいたみたいだ。
アイマスクを外した瞬間、陽の光が顔一杯に降りかかる。

目の前に広がった景色はこの世のものとも思えない地獄のような島の姿だった。


目の前には血だらけで働いている囚人。
そしてその側で力尽きている囚人の姿があった。


パッとみただけでも死体が6人。

すごい臭いだ。


「ドンッ」
「早く降りろっ!」

目の前に広がる景色に怯んでいた僕に
刑務官は容赦なく蹴りを一発入れ船から蹴落とした。

「これからお前はこの島の島長のところに行く。早く歩け。」

僕は腕につながれた手錠を引っ張られ
無理やり引っ張られた。


「くそッいつか覚えてろよ」

そう心の中で思い睨んでいるが
見向きもしない刑務官はひたすらに足を進めた。

「こんな時に僕に特殊能力さえあれば、、」



特殊能力は一般的に18歳以降で発言すると言われている。
僕は今17歳。
いつ発現してもおかしくないが、今はなにも力を持たない無能力者だ。


島の中を歩いていても
地獄のような姿はいつまでも変わらない。

「さぁついたぞ」

刑務官の声で僕が上を向くとそこには
地獄のような島には似合わない真っ白な城が一つ立っていた。

扉の中に入り部屋を進んでいく。


大きな扉だ。
一目でこの中に島長がいるのがわかる。


その扉の前でひざまずかされた僕は名前が呼ばれるのをじっと待っていた。



「罪人、黒白迅 入れ。」

僕の名前が呼ばれ大きな扉がギシギシと音を立て開いていく。


扉の先には真ん中に道を開け左右に
大勢の人が集まり道の先には1人の男が座っていた。



男の前で、またひざまずかされた僕は
終身刑の言葉とともにこの島での役割について発表された。


「囚人 黒白迅 貴様にはこの城の執事になってもらう」


僕はこの島では執事の役割に就くようだ。
囚人なのに執事?

そんなに罪も重くなかったのか
外の血だらけの人たちに比べれば楽な仕事に就けたのだろう。


こんな能天気なことを考えいる僕には
これから先この執事という役割が僕の未来を変えていくことを知る由もなかった。

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